スポーツクライミングは2021年開催の東京オリンピックでオリンピック競技として初の採用となりました。
ボルダリングなどは日本でも人気が出てきており、馴染みのある方も多い方と思いますが、オリンピック競技のスポーツクライミングについては細かく知っていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
東京オリンピックではせっかくの現地開催ですし、是非とも競技ルールを知った上で観戦を楽しみましょう。
そういうわけで今回は東京オリンピックにおけるスポーツクライミングの競技日程や会場、競技ルールや歴史、さらに見どころについてご紹介します!
目次
東京オリンピック スポーツクライミングの日程
東京オリンピックのスポーツクライミングの日程は8月3日(火)~8月6日(金)です。
詳細は下記の通りです。
男子複合
8月3日(火) | 予選(スピード,ボルダリング,リード) 17:00-22:40 |
8月5日(木) | 決勝(スピード,ボルダリング,リード),表彰式 17:30-22:20 |
女子複合
8月4日(水) | 予選(スピード,ボルダリング,リード) 17:00-22:40 |
8月6日(金) | 決勝(スピード,ボルダリング,リード),表彰式 17:30-22:20 |
東京オリンピック スポーツクライミングの会場
東京オリンピックのスポーツクライミングの会場は青海アーバンスポーツパークです。
青海アーバンスポーツパーク
所在地:東京都江東区青海1丁目1
主なアクセス方法:
- 東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート駅」下車後→徒歩
注意事項は下記です。
※交通機関をご利用推奨
※駅は追加・変更の可能性有
※アクセシブルルート(段差の少ない車椅子の方などでもスムーズにアクセルできる道)は「東京テレポート駅」の利用を想定
収容人数(キャパシティ):8,400人
2021年の東京オリンピックのために仮設で整備された会場の1つです。
東京湾を臨む青海エリアの敷地にあります。
オリンピックのスポーツクライミングの他、アーバンスポーツである3×3バスケットボールやパラリンピックの5人制サッカーの会場でもあります。
東京オリンピック スポーツクライミングの競技ルール
東京オリンピック内定の野中生萌選手の練習見学。クライミングスポーツにおけるメンタルも相当に大事だと感じる。笑顔が素敵だ! #野中生萌 #スポーツクライミング #東京オリンピック pic.twitter.com/cPvrOfWzQq
— スポーツDr.辻秀一 (@sportsdrtsuji) December 13, 2020
東京オリンピックにおけるスポーツクライミングの競技ルールを見ていきましょう。
まず、東京オリンピックのスポーツクライミングの競技は複合です。
複合はスピード、ボルダリング、リードのそれぞれの種目の合計での成績を競う競技です。
2019年スポーツクライミング複合の世界選手権
具体的な得点の算出方法はそれぞれの順位の掛け算です。
この数値が小さいほど高成績となります。
例えばスピード1位、ボルダリング2位、リード3位の場合は1×2×3=6点となります。
それではスピード、ボルダリング、リードのそれぞれの種目の内容の説明を簡単にさせていただきます。
スピード
スピードは万国共通のコースでいかに早く登るかを競う種目です。
よって選手達もあらかじめどういうコースかは把握しております。
レースは1対1の方式で行われます。
ただ、予選は勝ち抜きでなく、タイムで順位を出し、それを基に決勝のトーナメントを組みます。一人2回レースを行い、良い方のタイムを使います。
決勝トーナメントは純粋な勝ち抜きです。予選の上位と下位の選手が組まれる形になるため、予選で上位であるほど組み合わせとしては楽になります。
ちなみにフライングは出した時点で最下位が決定するという重い罰則があるので最新の注意が払われることになります。
ボルダリング
ボルダリングは高さ4m程度のコースですが、コース内容が分かるのは競技当日で、また、他の選手がどのように登ったかどうかを見ることができません(オンサイト方式)。このルールにより公平性が保たれます。
複数のコースが準備され、制限時間は4分でいくつクリアできるかを競う種目となります。
制限時間の間では何回落下しても再チャレンジできます。
何回も落下しながらコースを攻略するということはよくあることです。
ただ、制限時間内にどのように攻略するかも考え、実際に登り切る必要があるため、頭脳はもちろん、判断力の早さも重要になります。
一流選手でもうまく攻略方法を思いつけずにあっという間にタイムアップになることもよくある話です。
クリア数が同じ場合はポイントを獲得できる通過点を通過した数やトライ回数の少なさ(落下の少なさ)、タイムなどで順位に差をつけます。
1発でクリアすることが最も理想とされており「1撃」と呼ばれております。
リード
リードは高さ約15mのコースですが、ボルダリングと同じくオンサイト方式です。
制限時間は6分で途中の確保支点にロープをかけて安全を確保しながら登り、どこまで登れるかを競う競技です。
また、ボルダリングと違い1回勝負です。
完登は最後の支点にロープをかけることですが、難易度は極限まで高く、至難の業となります。
戦略を立てることや、登る技術についてはボルダリングと似ておりますが、高さが高いため、持久力が必要で1回の落下で終わりというプレッシャーなどの違いがあります。
東京オリンピック スポーツクライミングの歴史

スポーツクライミングの歴史を見ていきましょう。
スポーツクライミングは登山のために行うロッククライミングなどからスポーツ競技として派生したクライミングになります。
比較的歴史の浅い競技で、起源は1940年代後半から1980年頃にソビエト連邦(現在のロシア)の自然の岩場で、既定の高さまで登る速さを競うスピード種目の競技大会が行われたことだと言われております。
ソビエト連邦が起源と言われておりますが、ほとんど同時期に欧州を中心に広がっていきました。
IFSC(国際スポーツクライミング連盟)が主催の世界選手権大会は1991年が初めてとされております。
オリンピックについては冒頭で述べた通り、2021年開催の東京オリンピックが初となります。
東京オリンピック スポーツクライミングの見どころ
明日9時30分~、GO!TOKYO🔥
東京五輪からの新競技 スポーツクライミング・楢﨑智亜選手!
去年世界選手権で優勝し、日本代表に内定した金メダルの有力候補。
海外選手から“忍者”とも称される身体能力、強さの秘密に迫ります!
#楢﨑智亜#スポーツクライミング#東京オリンピック#スッキリ pic.twitter.com/ujdq1QOBjw— スッキリ(日本テレビ) (@ntv_sukkiri) September 15, 2020
東京オリンピックのスポーツクライミングの見どころは満載です。
先ほどご説明した通り、スピード、ボルダリング、リードという複数の競技を一気に楽しめるのがポイントだと思います。
スピードについては全選手が熟知したコースなので、圧倒的なスピード感を見ることができます。トップクラスの選手はまさに忍者です。
ボルダリングやリードについては前述の通り、身体能力の高さだけでなく、どのように攻略するかの戦略性も重要であり、選手たちが頭をフル回転させながら登る様はとても見ごたえがあります。
また、競技全体としてはスピードが得意な選手もいればボルダリングやリードが得意な選手もあり、オリンピック競技の複合はその総合力で順位が決まるため、最後までどうなるか分らないのも面白い要素の1つです。
そして何よりも日本がとても得意な競技なので日本人選手がオリンピック史上初の大会でメダルを獲得できるかが最大の見どころと言えるでしょう。
実際、男子の楢﨑智亜選手や女子の野口啓代選手などは世界でもトップクラスの実力でメダル候補と言われております。
スポーツクライミングは見るも楽しく、日本代表のメダルも期待できる競技ですので、是非とも注目しましょう!