サッカー

東京オリンピックサッカー日本代表候補選手の海外移籍について

24歳以下に出場資格が有る東京オリンピックサッカー日本代表選手の動向が注目されるようになってきました。

先日もMF遠藤渓太選手(※23歳/横浜マリノス)がドイツ・ブンデスリーガ1部のウニオン・ベルリン(元日本代表・DF内田篤人選手/鹿島アントラーズが以前に所属していたチーム)への移籍が報道されました。

1年後に控えた東京オリンピックの選手選考にも大きな影響を及ぼすと考えられる、日本代表候補選手の海外移籍について考察してみようと思います。

※年齢は東京オリンピック開催年の歳を表記しています。

ケース1(遠藤渓太選手の場合)サイドMF

まずは前途の遠藤渓太選手の移籍について考えてみたいと思います。

遠藤選手が所属する横浜マリノスは昨年度のJリーグチャンピオンです。遠藤選手自身も途中出場からチームを勝利に導く決勝ゴールを決めるなどの活躍で優勝に大きく貢献したと言えるでしょう。五輪世代のU-23代表では3-4-2-1システムの左サイドでの出場が期待される遠藤選手ですが、所属の横浜Mでは4-3-3システムを基本に戦術を組み立ており、遠藤選手は3FWの左で多く出場しました。

U23代表の基本システム3DF-4MF-2シャドー-1トップ

 

横浜マリノス基本システム4DF-3MF-3FW

 

今シーズンは不調に遭えていますが、横浜Mの左FWは激戦区で、大活躍で優勝に貢献したブラジル人3選手(エジカル・ジュニオール選手/マルコス・ジュニオール選手/エリキ選手)がプレー可能な他、‘12ロンドン大会のベスト4進出の立役者、FW大津 祐樹選手も得意なポジションです。

五輪選手選考では代表の活動は基より所属チームでの活躍が重要な要素となります。

Jリーグチャンピオンの横浜Mのポジション争いは海外チームのそれと比べても遜色がないハイレベルな競争と言えるでしょう。

それでは遠藤選手の心境を少し覗いてみたいと思います。

・試合出場の機会を増やしたい。
・チーム内での競争は激しい。
・チームで出場しても五輪に選考されるかは不明。
・五輪選手選考まで1年間の猶予ができた。
・レベルの高い海外リーグで活躍すれば大きく成長できる。
・結果として自国開催の東京オリンピック選手に選ばれる。

 

こんなシナリオが遠藤選手の脳裏で描かれているのではないでしょうか?

ケース2(田中碧選手の場合)ボランチ

ではJリーグの活躍により海外移籍が噂される選手はどうでしょうか?

五輪代表チームと所属の川崎フロンターレでボランチとして活躍するMF田中碧選手(22歳)は代表チームでの活躍(昨年はブラジル相手に2ゴールを決めています)と所属チームでもレギュラーポジションを勝ち取って好調の首位チームの中心的存在です。

このままJリーグで優勝争いを続けてハイレベルな試合経験を積み上げれば今以上に成長する可能性を現時点で手に入れていると思える状況です。

プレースタイルから考えるとリーガ・エスパニョーラ(スペイン)のサッカーが合っていると思われますが、OA枠の有力候補でもあるMF柴崎岳選手(2部/デポルティーボ・ラ・コルーニャ)やMF香川真司選手(2部/レアル・サラゴサ)、など日本代表を担ってきた選手でも苦戦するハイレベルなリーグです。

東京オリンピック日本代表のエース候補、MF久保建英選手(所属元レアル・マドリード)やMF乾貴士選手(エイバル)、FW岡崎慎司選手(来季1部へ昇格/ウエスカ)たちは活躍していますが、いずれもアタッカーとしての能力を評価されており、田中碧選手のようにチームの中心(ボランチ)で日本人が活躍するのは未知数な難しいリーグと言えるでしょう。

ケース3(橋岡大樹選手の場合)サイドDF/MF

 

浦和レッズ、五輪代表の右サイドを務めるDF・MF橋岡大樹選手(22歳)も所属チームでレギュラーとしての活躍により海外移籍が噂される一人です。

身体能力が高く、スタミナ的にも問題がない橋岡選手は4DFの右サイドDFと3DFの右サイドMF(3DFの右でもプレー可能)としても能力を発揮できて、本大会での招集は間違い無いと思われます。

プレースタイルを考えた場合ブンデスリーガ(ドイツ)がお薦めのリーグです。

前途の内田篤人選手や、DF酒井宏樹選手(マルセイユ/フランス)が右サイドDFとして活躍した実績があり、DF酒井高徳選手(ヴィッセル神戸)も長くドイツで活躍しました。

ドイツ人と日本人は気質的にも合うと言われており、言葉を習得してコミュニケーションを取れれば日本人選手が活躍しやすいリーグとも言えるでしょう。

ケース4(大迫敬介選手の場合)GK

サンフレッチェ広島で活躍するGK大迫敬介選手(22歳)もJリーグでのプレーとA代表でも公式戦出場を経験して、本大会のレギュラー出場が期待できます。

GKはチームで1人のみ出場可能な特別なポジションです。安定感安心感をチームに与え最後尾からのコーチングも大切な能力なので日本人選手が海外でプレーするには非常に困難なポジションと言えます。

古くは現U-23GKコーチに抜擢された川口能活氏に始まり、現在でも川島永嗣選手(ストラスブール/フランス)、権田修一選手(ポルティモネンセ/ポルトガル)、シュミット・ダニエル選手(シント=トロイデン/ベルギー)、A代表の3選手も海外挑戦をしていますが、サッカーの歴史が長く身体能力でも日本人より優位なヨーロッパでの活躍は難しいと思われます。

まずはトップリーグではなくベルギーやオーストリアあたりの中堅クラブから経験を積むのが欧州で成功する第一歩だと思います。

ケース5(町田浩樹選手/渡辺剛選手の場合)センターDF

本大会の候補選手として現時点では当確線上にいると思われるDF町田浩樹選手(23歳/鹿島アントラーズ)とDF渡辺剛選手(24歳/FC東京)の2選手のポジションであるセンターDFも日本人選手が海外で活躍するのが難しいポジションでしょう。

長身で競り合いにも強く、左足からのパス能力でビルドアップを期待される町田選手は現在は苦戦を強いられているザーゴ監督(鹿島アントラーズ)の戦術に適した選手だと思います。

長谷川監督(FC東京)から信頼を勝ち取った渡辺選手優勝争いをするチームには不可欠な存在になったと思います。

GKと同じくコーチング能力を求められるセンターDFが海外で活躍するには、まず言葉の壁を乗り越える必要があります。

本大会の主力と考えられるDF富安健洋選手(22歳/ボローニャ=イタリア)は所属チームで実力を評価されて活躍していますが、右サイドDFとしての出場機会が多いことからもセンターDFが日本人にとっては欧州で出場チャンスを得るのが、いかに難しいポジションであるかを窺い知れると思います。

冨安選手と同じように最初のステップは中堅リーグの中位クラブで経験を積むのが良い方法だと思います。

ケース6(相馬勇紀選手の場合)サイドMF

3-4-2-1システムの両サイドでハイレベルなプレーを見せてくれる相馬勇紀選手(24歳/名古屋グランパス)も海外挑戦が近いのではないかと報道されています。

運動量が多く、単独でもサイドを攻略してセンターリングを上げるのが持ち味で所属チームで出場機会を確保できていますが、本大会への招集は当確線上だと思われます。

小柄でスピードがある相馬選手も身体能力がものをいうプレミアリーグ(イングランド)やリーグ1(フランス)よりもオランダやポルトガルのリーグなどで出場機会を確保するのが賢明な最初の海外移籍になると思います。

海外移籍が噂される選手の現状プレースタイルを踏まえて海外移籍を考察してきましたが、筆者の考えでは現チームでレギュラーとして試合に出場している選手は移籍をせずに現チームで活躍する事が成長へ繋がりメンバー選考にも良い影響を与えると思います。

遠藤選手のようなケースは海外の生活環境に適応して新しいチームで活躍する多様な条件を乗り越えて結果を残す事が求められます。

ポジションの特徴や、選手のプレースタイルによって適応する可能性も変わってくる、難しい海外移籍を東京オリンピック開催の1年前に行うのは非常にリスクが高いと言えるでしょう。

余談になりますが、‘10年南アフリカーW杯の1年前大活躍をしていたセルティック(スコットランド)からエスパニョーラ(スペイン)に移籍をした中村俊輔選手(横浜FC)は適応に苦戦して、出場機会を得られずに半年前に古巣の横浜Mに復帰しましたが、本大会までに調子を戻せずに岡田武史監督(現FC今治オーナー)の大会直前の戦術変更に伴いレギュラーポジションを失ったエピソードは参考になると思います。

当確線よりも下方の位置図けだと選手自身が判断して、現状では可能性が低く逆転で招集を狙う選手にとってはリスクが高くとも魅力的に映るチャレンジだとも言えますね。

1年後の自分を想像し、一番成長する可能性がある選択肢を選ぶことが、海外移籍も含めた選手自身の今後を占う鍵となりそうです。

番外編(久保建英選手の場合)トップ下/サイドMF/シャドー

すでに海外リーグで活躍する久保建英選手の移籍話も取り沙汰されています。

エース候補の久保選手の移籍も五輪チームにとっての影響が大きいと思われるので考えてみたいと思います。

 

オリンピック選手の所属チームの選手派遣に関るこちらの記事を先に読んで頂くと尚、色々な視点で海外移籍を考察できると思います。

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マジョルカ(リーガ・エスパニヨーラ=スペイン)での活躍により、来シーズンの移籍市場でも話題を集める存在になった久保選手の所属元は超名門レアル・マドリードです。

EU圏外の国籍を持つ選手を外国籍選手3枠とのルールが定められるリーガ・エスパニョーラでは3枠を南米やアフリカの選手を獲得する傾向が見受けられます。

レアル・マドリードも現在の3枠はブラジル国籍の3選手(DFミリトン選手、FWヴニシウス選手、FWロドリゴ選手、いずれも東京オリンピックの出場資格があります)が登録されています。

本来であればレアル・マドリードに戻ることが一番良いと思われがちですが、各国のスター選手が揃うレアル・マドリードで出場機会を獲得するのは並大抵のことではありません。
出場機会を確保できるチームにレンタル移籍をして試合に出場して成長に繋げることが今の久保選手、所属元のクラブが望む事でしょう。

海外の名門クラブからもオファーが届いていると聞きますが、スペイン語を習得している久保選手はスペイン国内でヨーロッパのカップ戦に出場資格を有するチームが有力候補とみられています。

バルセロナの下部組織出身の久保選手はボールポゼッション(ボール保持)を中心にした戦術を採用するスタイルのチームが特徴を発揮できるのは間違いないと思われます。

有力移籍チーム:

セビージャ(リーグ4位、CL出場)

ビジャレアル(リーグ5位、EL出場)

レアル・ソシエダ(リーグ6位、EL出場)

アヤックス(エールディビジ=オランダ優勝、CL出場)

パリSG(リーグ1=フランス優勝、CL出場)

 

これらのチームが獲得に動いている主なチームと思われます。

所属元のレアル・マドリードのスタイルは個人の能力を最大限に活かした戦術を採用する傾向があります。

上記の各チームポゼッション思考のスタイルですがより個人の能力に左右されるのが、ワールドクラスの選手を擁するチームなのは言うまでもありません

パリSGの場合は所属元レアル・マドリードとほとんど変わらないレベルの選手が多数います。

コミュニケーションの視点から見てもスペイン国内でのレンタルが現実的だと思います。

組織的なポゼッションサッカーとテクニカルな選手が多いレアル・ソシエダビジャレアルの上位陣に似たタイプのベティス(リーグ15位)も魅力的なチームですが、筆者が希望するのは前スペイン代表監督のロペテギ氏が率いる南部(ラテン系)の名門セビージャ(清武弘嗣選手/セレッソ大阪が以前に所属していたチーム)です。

北部(レアル・ソシエダなど)と比較して組織よりも個人を尊重する傾向が強い南部のチーム将来のレアル・マドリードに復帰した場合の活躍を求める場合には似たような状況下でのプレー経験が活かされると期待します。

来シーズンの海外サッカーリーグ、今シーズンのJリーグと東京オリンピックまでサッカーから目が離せない楽しい時間を過ごせそうですね。

 

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