東京オリンピックの正式競技の射撃には下記種目の団体戦(男女混合)があります。
- 10mエアライフル混合団体
- 10mエアピストル混合団体
- トラップ混合団体
今回は上記の種目それぞれでの出場国と強豪国、さらに日本の立ち位置についてご紹介します。
東京オリンピック射撃の出場国は?
東京オリンピック射撃の混合団体3種目の国はISSFの公式HPでも名言はされておりませんが、出場資格はっきりしているので、出場国は確定しております。
出場資格は2018年のISSF世界選手権の上位2か国ずつで3大会あったので、計6か国となります。
基本的には後述の世界ランキング上位の国々なっていることでしょう。
日本は混合団体では出場資格を満たしておらず、不参加となります。
ちなみに個人は下記の通りです。
【参考】個人の出場資格
- 2019年のワールドカップや大陸予選の上位
- 開催国枠(自力獲得できなかった場合かつ、一定のポイントを所持していることが条件)
- 世界ランキング上位
- 招待枠
日本は後述の世界ランキングの通り、惜しいというレベルではなく、世界との壁はまだまだ大きいというところです。
東京オリンピック射撃|10mエアライフル団体(混合)の強豪国と特徴は?
射撃については混合団体の世界ランキングはありませんでした。
2019年ワールドカップでの全種目での集計はありましたので、参考に掲載しておきます。
出典:ISSF
これを見ると射撃全体としての強豪国は見えてくると思います。
ご覧の通り、インドと中国が頭1つ抜けて強豪国なのが分かりますね。
ただ、射撃の中でも種目によって強豪国が違っておりますので、1種目ずつご説明します。
10mエアライフル団体も世界ランキングはありませんので、個人ランキングを見ていきましょう。
■10mエアライフル個人世界ランキング
男子
Rank | Nation | Name |
1位 | インド | PANWAR Divyansh Singh |
2位 | クロアチア | GORSA Petar |
3位 | ハンガリー | PENI Istvan |
4位 | スロバキア | JANY Patrik |
5位 | ロシア | KAMENSKIY Sergey |
6位 | クロアチア | MARICIC Miran |
7位 | 中国 | YU Haonan |
8位 | 中国 | HUI Zicheng |
9位 | 中国 | YANG Haoran |
10位 | ベラルーシ | CHARHEIKA Illia |
39位 | 日本 | 岡田 直也 |
女子
Rank | Nation | Name |
1位 | インド | VALARIVAN Elavenil |
2位 | 台湾 | LIN Ying-Shin |
3位 | ルーマニア | COMAN Laura-Georgeta |
4位 | インド | MOUDGIL Anjum |
5位 | 韓国 | IM Hana |
6位 | 韓国 | JUNG Eunhea |
7位 | インド | CHANDELA Apurvi |
8位 | イギリス | MCINTOSH Seonaid |
9位 | 中国 | ZHAO Ruozhu |
10位 | ノルウェー | STENE Jenny |
44位 | 日本 | 清水綾乃 |
出典:ISSF
直近の国際大会の結果も見てみましょう。
10mライフル混合団体
■ワールドカップ2019年(デリー)
1位:中国(チーム2)
2位:ルーマニア
3位:韓国(チーム1)
4位:中国(チーム1)
5位:韓国(チーム2)
■ワールドカップ2019年(北京)
1位:インド(チーム2)
2位:中国(チーム2)
3位:ロシア(チーム2)
4位:アメリカ(チーム1)
ご覧の通り、ライフルはインド、中国、韓国など、アジア勢が強豪国となっております。
東京オリンピックについても、このアジア勢が優勝争いに関わってくることでしょう。
東京オリンピック射撃|10mエアピストル団体(混合)の強豪国と特徴は?
続いて10mエアピストルについても世界ランキングと直近の大会の結果を見てみましょう。
10mエアピストル個人世界ランキング
男子
Rank | Nation | Name |
1位 | ロシア | CHERNOUSOV Artem |
2位 | インド | VERMA Abhishek |
3位 | 中国 | PANG Wei |
4位 | インド | SAURABH Chaudhary |
5位 | 韓国 | JIN Jongoh |
6位 | 韓国 | LEE Daemyung |
7位 | セルビア | MIKEC Damir |
8位 | ウクライナ | OMELCHUK Oleh |
9位 | トルコ | KELES Ismail |
10位 | 中国 | WU Jiayu |
21位 | 日本 | 松田知幸 |
女子
Rank | Nation | Name |
1位 | セルビア | ARUNOVIC Zorana |
2位 | インド | BHAKER Manu |
3位 | ギリシャ | KORAKAKI Anna |
4位 | インド | DESWAL Yashaswini Singh |
5位 | 韓国 | KIM Minjung |
6位 | ウクライナ | KOSTEVYCH Olena |
7位 | ロシア | BATSARASHKINA Vitalina |
8位 | 韓国 | KIM Bomi |
9位 | 台湾 | WU Chia Ying |
10位 | 中国 | WANG Qian |
24位 | 日本 | 小西ゆかり |
10mピストル混合団体
■ワールドカップ2019年(デリー)
1位:インド(チーム1)
2位:中国(チーム1)
3位:韓国(チーム2)
4位:韓国(チーム1)
5位:ウクライナ
■ワールドカップ2019年(北京)
1位:インド(チーム1)
2位:中国(チーム2)
3位:ロシア(チーム1)
4位:中国(チーム1)
出典:ISSF
個人としては、ロシア男子のCHERNOUSOV Artem選手などは非常に素晴らしい選手ですが、団体となると、エアライフルと傾向が似ていて、ピストルはインドや中国などのアジア勢が強いですね。
個人戦もあるため、団体となると選手層の厚い国が有利になるので、その点はアジア勢が優れているのだと推定します。
東京オリンピック射撃|トラップ団体(混合)の強豪国と特徴は?
続いて3種目目のトラップ団体についても世界ランキングと直近の国際大会の結果をご紹介します。
トラップ個人世界ランキング
男子
Rank | Nation | Name |
1位 | イタリア | DE FILIPPIS Mauro |
2位 | イギリス | COWARD-HOLLEY Matthew John |
3位 | クロアチア | GLASNOVIC Anton |
4位 | ドイツ | LOEW Andreas |
5位 | クロアチア | GLASNOVIC Josip |
6位 | スペイン | FERNANDEZ Alberto |
7位 | トルコ | ILNAM Yavuz |
8位 | クウェート | ALMUDHAF Khaled |
9位 | ポルトガル | AZEVEDO Joao |
10位 | ロシア | ALIPOV Alexey |
94位 | 日本 | 大山重隆 |
女子
Rank | Nation | Name |
1位 | サン・マリノ | PERILLI Alessandra |
2位 | スペイン | GALVEZ Fatima |
3位 | ポーランド | BERNAL Sandra |
4位 | アメリカ | CARROLL Ashley |
5位 | 中国 | WANG Xiaojing |
6位 | アメリカ | SKINNER Aeriel Alease |
7位 | フィンランド | MAKELA-NUMMELA Satu |
8位 | イタリア | IEZZI Alessia |
9位 | フィンランド | SALMI Marika |
10位 | オーストラリア | SMITH Penny |
32位 | 日本 | 中山由起枝 |
トラップ混合団体
■ワールドカップ2019年(メキシコ)
1位:オーストラリア(チーム1)
2位:アメリカ(チーム1)
3位:イギリス(チーム1)
4位:オーストラリア(チーム2)
5位:イタリア(チーム1)
6位:トルコ
■ワールドカップ2019年(韓国)
1位:イタリア(チーム1)
2位:アメリカ(チーム1)
3位:台湾(チーム1)
4位:韓国(チーム1)
出典:ISSF
ピストルとライフルとずいぶん様相が違っており、トラップは欧米が強いです。
この構図は昔からで、やはり欧州は歴史が古く、競技人口の多さや練習環境が整っているというのが大きいです。
ただ、大会の結果でも分かるように、近年はライフルやピストルのみならず、トラップについてもアジア勢の台頭が見られます。
東京オリンピックではアジア勢が欧米と渡り合えるかは注目のポイントですね。
まとめ
日本勢はまだまだ強豪国と渡り合えるレベルではないという感じです。
ライフルとピストルについてはインドや中国、韓国などのアジア勢の選手層が厚いので恐らく上位に食い込むことは間違いないと思われます。
一方のトラップについては欧米が非常に強いですが、ここのアジア勢が入り込めるかが見どころです。
他の競技に比べて特に集中力と精神力が求めらると言われており、その緊張感は見る側にも伝わってきます。
その緊張感の中で、ひたすら精度の高い射撃をする選手を見ると、感動を覚えます。
国際大会の最高峰のオリンピックでは選手達が最高のパフォーマンスを見せてくれると思いますので、是非注目しましょう。